短時間睡眠の方、
あるいは睡眠の質の悪い方の特徴として
「脈拍が速い」というのがあります。
脈が速いというのは実は健康診断などで
指摘こそされても「だから何?」という感じで
終わってしまいますが、
睡眠トラブルのある人の脈はほぼもれなく速く、
その数値が高ければ高いほど危険度が上がります。
運動時を除いた平静時の脈拍は60程度が健康的。
80~90という脈拍が起きている人は赤信号です。
脈拍と睡眠不足には
化学的な関連性も見つかっており、
脳内から分泌される覚醒物質である
「オレキシン」という物質が関与していると
考えられています。
オレキシンは緊張時に多く分泌され、
睡眠欲を抑制し、食欲を増す作用があるとされます。
オレキシンの人間が今のような
平和な生活をしていない捕食される動物だったころの
本能の残りのような働きということですが、
今でもストレスフルな生活や
常に光や音の刺激を寝る直前まで受けていると
オレキシンは過剰に分泌され、
睡眠を邪魔し、夜中にお腹が空く、という
悪循環の原因となります。
そして何よりオレキシンは
眠くても体を活発に動かすためのホルモンですので
脈拍を上げ、体の活動を活発化させます。
脈拍が速くなるメカニズムは
どうやらここにあるようです。
考えてみればこんなものが常に分泌されていたら
寿命が削られていくのも頷けますよね。